畳に虫が発生した!?原因・対処法・予防法を解説

畳の上でい草の香りを感じながらリラックスするのは、非常に心地良いものです。しかし、その畳に虫が潜んでいることに気づいたら、どう対処すればいいのか不安に思う人も少なくないでしょう。畳に虫が発生したと思ったときには、まず虫の種類を知り、適切な対処を行っていくことが大切です。

また、畳は、直接肌に触れる素材であるため、「虫がつかないようにするにはどうすればいい?」と予防法を知っておくことも重要です。

そこで本記事では、畳に発生する虫の種類、駆除方法、原因を詳しく解説します。畳に虫がつかないための予防法も紹介しますので、ぜひご覧ください。

畳に発生する虫の種類

畳には、さまざまな虫が発生することがあります。ここでは、畳につきやすい虫、以下の5種類について解説します。

  • ツメダニ
  • シバンムシ
  • チャタテムシ
  • カツオブシムシ
  • アリガタバチ

1つずつ、詳しく見ていきましょう。

ツメダニ

ツメダニは、体長約0.5mmほどで薄橙色をしている虫です。梅雨や秋の初めに繁殖しやすく、8~9月は特にツメダニによる被害が出てくる時期です。ツメダニは他のダニやチャタテムシを食べるため、餌となる虫が増えれば、ツメダニの数も増加します。人間の血を吸う習性はないものの、稀に人間を誤って刺し、体液を吸い取ることがあるため油断はできません。

シバンムシ

シバンムシは、体長約2~3mmの赤茶色の丸みを帯びた虫です。乾燥した植物材を好むため、畳や壁紙にもしばしば見られます。かじる力が強く、食品包装穴を開けて中に入ることがあり、異物混入の原因となることもあります。畳に発生したシバンムシをそのままにしておくと、畳に穴があけられることもあるため、早めの駆除をおすすめします。

チャタテムシ

チャタテムシは、体長1~2mm程度、白色や淡い黄色をしている虫です。カビを好物として食べる性質があり、畳にカビが生えると、チャタテムシの発生が増えることがあります。また、段ボール、壁紙、米なども食物となるため、防カビ対策が必要です。

カツオブシムシ

カツオブシムシは、黒から黄色をした、体長およそ2.5~3mmの虫です。湿気が多く日光のあたらない環境を好み、畳の裏面に棲み付きやすいという特徴があります。繊維を食べる習性があるため、服にも穴を開けることがあります。

アリガタバチ

アリガタバチはハチの一種ですが、アリに似た形状のためこの名がついています。体は赤褐色をしており、体長は約1.5~2.5mm程度です。アリとの違いは腹部の形状です。雌は羽を持たず、産卵のための毒針がありますが、雄は通常羽が生えており、毒針はありません。

アリガタバチはシバンムシの幼虫などに寄生するため、シバンムシが多い場所にはアリガタバチも多く見られます。特に7~9月には大量発生することもあるため注意が必要です。羽化した成虫は活発に動き、人が刺されると赤く腫れ、痒さを感じます。場合によっては水ぶくれや化膿することがあり、手足や胴体を刺されやすいのが特徴です。

畳に発生した虫の駆除方法

畳に虫が発生したときには、どのように駆除をすればよいのでしょうか。虫の駆除方法は、殺虫剤を使用する方法と熱風乾燥で駆除する方法の2つに分けられます。ここでは、それぞれの駆除方法を詳しく解説します。

殺虫剤を使う

畳に発生した虫を駆除するには、殺虫剤を使う方法があります。殺虫剤には、主にスプレー式殺虫剤、または煙式殺虫剤の2種類があります。

目で確認できる虫にはスプレー、広範囲を駆除する場合には煙式が有効です。使用時は注意事項をしっかり読み、換気をして防護具を身につけるなどの安全対策を施してから行いましょう。特に小さなお子様やペットがいる家庭では、十分に注意する必要があります。ここでは、スプレー式殺虫剤と煙式殺虫剤について詳しく解説します。

スプレー式殺虫剤

スプレー式殺虫剤は、液体の殺虫剤を霧状に散布する殺虫剤です。虫が発生している箇所に、直接スプレーします。多くの製品には、即効性の成分が含まれているため、虫が触れると神経が麻痺し、最終的に死滅させる効果があります。ピンポイントで駆除が行え、目に見える虫を排除したいときに使えます

ただし、スプレーの散布後は手をしっかり洗って換気をしましょう。また、ペットや子どもの手や口に入らないよう、注意しながら使用してください。

煙式殺虫剤

煙式殺虫剤は、部屋に大量に虫が発生しているときにおすすめの方法です。煙と共に殺虫成分を部屋中に拡散させるタイプの殺虫剤です。使い方としては、和室やリビングなど、特定の部屋の中央に煙幕剤を置き、点火した後、部屋全体を閉めきります。

煙が出てくると部屋中に広がり、隅々まで殺虫成分が行き渡ります。効果としては、部屋全体に効果的に殺虫成分が広がるため、目に見えない虫や隠れている虫も駆除することが可能です。使用後は十分に換気をすることが大切です。ペットや小さな子どもがいる場合は、特に特に注意が必要です。使用する殺虫剤の使用方法と注意点をよく読んだうえで、使いましょう。

熱風乾燥をする

畳に発生した虫を駆除するには、 熱風乾燥をするのも有効です。畳専用の熱風乾燥機を使い、高温の熱風で畳を乾燥させることで虫やダニを駆除していきます。

 熱風乾燥機を使用することで、薬剤を使わず、高温と乾燥の力で虫を排除することが可能です。 熱風乾燥をする場合は、機械を導入している畳屋に依頼する必要があるため、興味がある方は近隣の畳店に問い合わせてみると良いでしょう。

多くの場合、朝に畳を店に運び、夕方には返却してもらえる流れです。家庭に布団乾燥機がある場合は、布団乾燥機を使って畳の乾燥・殺虫をすることもできます。特に高温を好まないダニなどは、自宅でも効果的に駆除できるでしょう。

布団乾燥機を使う場合は、畳の上に直接、乾燥機の熱風があたるようにして、その上から布団を被せましょう。熱風で畳が温められ、虫の大部分が死滅する効果が期待できます。

畳に虫がつくのはなぜ?原因を解説

虫は、元々畳にいるわけではなく、外から侵入したり繁殖したりすることで増えていきます。環境条件が整うことで、畳内で虫が増殖してしまうため放置は危険です。部屋が、次のような状況になっていないか、確かめてみてください。

  • 清掃が行き届いておらず、埃やゴミがたまっている
  • 畳の上に食べ残りがある
  • 布団やカーペットが畳の上に常に敷かれている
  • 部屋の湿度が高く、風通しが悪い
  • ペットを部屋で飼っている

これらの状況では、畳に虫が生息しやすい状況であると言えます。すでに虫がいるかもしれないと思う場合は、次の項で紹介する予防法を試してみてください。

畳に虫がつくのを防ぐ!予防法を解説

畳に虫がつかないようにするには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、以下の3つの予防法を解説します。

  • こまめに掃除する
  • 部屋の風通しをよくする
  • 防虫シートを使う

それぞれの予防法を、1つずつ見ていきましょう。

こまめに掃除する

畳に虫がつかないようにするには、こまめに畳の掃除をして清潔に保ちましょう。1枚の畳に対して、最低1分は掃除機をかけることをおすすめします。また、畳の掃除をするときには、畳の目に沿って行いましょう。掃除機でも、乾拭きをするときにも、目の方向に逆らって行うと、畳が傷ついたり隙間に汚れが詰まったりする恐れがあります。

畳を掃除するときには、まず、手で大きなゴミや埃を取り除きます。次に、掃除機で畳1枚ずつゆっくりと掃除機をかけ、細かい埃やダニを吸い取ります。強くかけすぎると畳を傷めてしまうため、加減しながら行いましょう。

掃除機をかけ終わった後は、拭き掃除をします。 水拭きは避け、乾いた布を使って表面を軽く拭きましょう。定期的に掃除するだけでも、畳を清潔に保てるため、虫の繁殖を予防できます。

部屋の風通しをよくする

畳の虫を防ぐには、部屋の風通しをよくして湿度の管理をするのも有効です。部屋の湿度は50~60%以下を目指しましょう。また、炊飯や調理、洗濯物の室内干しを避けて、湿気の蓄積を防ぐことも大切です。また、年に1度は畳をしっかりと乾燥させることも大切です。

風通しを良くしておくことで、部屋の湿度を適切に保つことができます。特に、季節の変わり目や湿度が高くなる梅雨時期には、こまめに窓を開けて空気の入れ替えを意識してみてください。また、部屋の中央だけでなく、隅々まで風が通るようにすることで、虫の発生を防ぐ効果が期待できます。

さらに、風通しをよくしておくことで、畳の中の湿気も逃がせるため、畳自体の質を長持ちさせることにもつながります。こまめに換気することは、畳だけでなく室内全体の清潔さや健康を保つ上でも大切な習慣だと言えるでしょう。

防虫シートを使う

畳の虫の予防法には、防虫シートを使う方法もあります。防虫シートとは、畳の下に敷くことで、床下から虫が侵入するのを防ぐシートのことです。

防虫シートは、畳の下に敷くだけで手軽に使えます。特に、畳の張り替えを考えている方には、古い畳から新しい畳に変えるタイミングで防虫シートを挟んでおくと、長期的な防虫効果が見込めます。

また、防虫シートの使用は、化学物質を直接室内に散布する方法よりも、人体への影響が少ないと言えます。家族の健康や環境を守るためにも、防虫シートの導入を検討してみてください。

まとめ

畳は、い草など天然素材で作られていることが多いため、湿気や食べ残しなどが残ると、ダニやツメダニなどの害虫が繁殖することがあります。虫は、発生したままにしておくと家族の健康に悪影響を及ぼすこともあるため、早めに駆除することが大切です。駆除するには、殺虫剤を使う方法と、熱風乾燥する方法があります。

虫を予防するには、こまめに畳を掃除し、部屋の風通しをよくしておきましょう。また、畳の下に防虫シートを敷くのもおすすめです。畳の虫で疑問に思うことがあれば、畑畳に相談してみませんか。